失敗したら・・・と気が重くなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
でもその緊張や心配が高じて、生活や仕事に支障が出るとしたら、それはあなたの性格の問題ではなく、社会不安障害(SAD)という病気かもしれません。
どんな人でも緊張することはある
他人から悪い評価を受けることや、人の注目を浴びる行動には、誰しも緊張や不安を感じるものです。
あがり症の人は、とくにこの緊張や不安を強く感じることでしょう。それでもあがり症の人は、緊張や不安を感じるとわかっていても、その場に参加することができます。一方で、緊張や不安に耐え切れずその場を避けてしまう人もいます。
また、緊張や不安が高じて、ふるえ・動機・吐き気などの身体症状が出てしまう人もいます。このような状態が続けば、生活にも仕事にも支障が出てきます。こうなると、これは性格の問題ではありません。
社会不安障害(SAD)はこういった緊張や不安にともなって引き起こされる病気なのです。

2005年に行われた実態調査によると、成人の18.2%が社会不安障害(SAD)に該当すると推定されました。年代別でみると、10〜20代では約1/4。しかも、該当すると推定された人の約6割は、自分が病気であるという自覚を持っていませんでした。
社会不安障害(SAD)は、初期に適切な治療をすれば治る病気です。逆に放置していると、うつ病・パニック障害・アルコール依存症などを引き起こすことも知られています。
決して珍しい病気ではなく誰にでも起こりうるのが、社会不安障害(SAD)です。自分ではどうすることもできない緊張や不安を感じるときは、一度専門医に相談してみましょう。
真面目で几帳面な人は要注意!
あがり症の人が必ずしも社会不安障害(SAD)になるというわけではありません。社交的な人でも発症します。
人間関係に敏感で感受性の強い人、他人に過剰に気を使う人、自己評価の低い人などは、他の人より緊張や不安を多く感じることになるので注意が必要でしょう。
また、人前で大きな失敗をして恥をかいた経験がある場合、同じ失敗をしたらどうしようと心配になり、それが高じて発症するケースもあります。いずれにせよ、社会不安障害(SAD)と診断されるのは、真面目で几帳面な人が多いようです。
なぜ社会不安障害(SAD)になるのかについては、はっきりとした原因はまだ解明されていませんが、脳内物質のバランスの乱れが原因であるという説があります。とくにセロトニンという精神安定作用のある脳内神経伝達物質が関与しているようです。

社会不安障害(SAD)の治療方法
薬物療法と認知行動療法があり、併用することによって治療効果は高まるといわれています。
薬物療法では、不安をやわらげるお薬と、震えや動悸を軽くする薬が使われます。原因と考えられているセロトニンを強化するために用いられるのがSSRIという薬。不安をやわらげる抗うつ剤で、比較的副作用が少なく安全性の高い薬です。
認知行動療法は、緊張する場面から逃げなくてもすむように、不安にとらわれている思考パターンを変える方法や、緊張感をやわらげる方法を学びます。認知行動療法では、逃げ出したい場面に直面しなければならないので、かなりの努力が求められます。
治療開始直後では負担が大きく、かえって不安が大きくなる場合もありますので、誰にでも適した方法とはいえないようです。
社会不安障害(SAD)にならないために
ストレスにあふれた現代社会では、しばしば緊張をしたり、不安を抱いたりする場面に遭遇します。
日常から少しずつ緊張を解きほぐす工夫は、SADを予防するためにも大切です。
また、緊張によって乱れた体のリズムを整えることは、脳内物質のバランスの乱れの改善につながります。
朝、目覚めたときに太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、体のリズムが整えやすくなります。
緊張すると呼吸が速くなります。
意識してゆっくりと呼吸するのは、気持ちを落ち着かせるのに効果的です。
よく噛んで食べるようにすると、脳へ刺激が伝わり脳内物質のバランスの調整に役立ちます。
緊張をほぐすにはストレッチを。
ウォーキングやジョギングなどの一定リズムを刻む運動は体のリズムを整える作用があります。
ハーブティや入浴剤などで好みの香りを。
心地よいと感じる香りにはリラクゼーション効果があります。
社会不安障害(SAD)に関するQ&A
| 薬を使うとクセになりませんか? | |
| 医師の指示のもとで服薬をする場合、薬がクセになることはまずありません。 「緊張せずに○○○ができた」という成功体験を積み重ねて自信をつけていくために、しばらく薬の助けを借りてみるのも方法のひとつです。 自信がついたら少しずつ薬を減らしていくことができます。 |

| 長く薬を飲むのでしょうか? | |
| 薬を飲む期間は人それぞれですが、半年から数年継続することが多いようです。 長く使う薬だからこそ、安全性の高い薬を医師の指示どおりに飲むのが大切です。自分勝手な判断でやめたり再開したりせずに、不安があれば医師に伝えましょう。 医師と相談しながら使うことが薬の効果を最大限に引き出し、使用量を最小限にする一番の近道です。 |
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